4/1日記(豚に真珠、デミロマにtinder?)

 

タイトル通りである。3月末、泊まりに来てくれていた友人が私の家から退去してすぐになんとなく寂しさが頂点に達してしまい、どうしようもなくなって人生二度目のマッチングアプリ登録(アプリ自体の利用は4種類目)をキメてしまった。アプリはこれまで避けていた、あの名高きtinderである。

なぜtinderを避けていたのか? 答えは単純で、ヤリモクがあまりに多そうだったからである(後述するが、この予想は全く間違っていなかった)。しかしながらtinderユーザーが周囲に多くいたことは、アプリの利用に対する私の心理的ハードルを下げた。tinderはなんといっても、自分のジェンダーセクシュアリティを細かく設定できる点に魅力がある。ほかの多くのアプリは男女二元論に基づいたマッチングしか設定・誘導してくれないのだ。周囲のクィアな友人たちの多くがtinderを入れていたのはこういう理由であった。また、恋人や肉体関係を結ぶ相手以外に、友人作りも射程に入れることができるのはtinderの利点だと言えるだろう。

さて、実際にやってみた。私はパンセクシュアルかつデミセクシュアル(デミセクまで登録できたのは正直驚いた)として、いい人がいれば付き合いたい、位に設定した。写真は友人のアドバイスで最初の3枚を顔写真ではないものにし(本棚の写メにした)、スワイプしないと見られない4枚目、5枚目に顔写真を置いた。プロフィールは左翼であることを強調(前回と同じである)、友達から始めたいこと、ヤリモクや子どもがほしい人、既婚者はNGであることを盛り込んだ。酒やタバコはやらないことも明記した。

始めてみれば、初日で1000以上はライクがつく。私でも1000来るということは、おそらくもっと顔を露出してとっつきやすいプロフィールにしている人は数千のライクが来ているに違いない。

しかしこの数来るとさすがに捌けないというのが実情である。とにかく数が多い。顔だけでは何もわからないのでプロフィールをいちいち見るのだが、プロフィール文が短い人、ない人の多いこと多いこと……。「今日飲める人いますか」だけとか、「美味しいものとシーシャ」だけとか……長文のプロフィールがあると思えばめちゃくちゃ丁寧なヤリモクだったりする(ヤリモクが丁寧なのはいいことだが、私にとってはお呼びではない)。いやプロフィール読んでくれよ。

最初にデミセクシュアルを登録できたはいいものの、あまりこのアプリはデミロマデミセクに向いているとは言い難い、というのが2日ほどやってみた感想である。以前やっていたPairsやWithに比べてとにかくプロフィールを書く文化が希薄で、話してみるといろいろある人でもとにかくプロフィールの中身がない。そうなると短いプロフィールとプロフィール写真などから仲良くなれそうか判断するしかないのだけど、これがとにかくつらい。何もわからない。美味しいものが好きって、大体の人は美味しいものが好きなんだよ。ラーメンの写真は何も語らない。舐め犬はマジでいらない。今夜を全く知らない人との突然の飲みに使えるほど私には度胸がない。「気軽に遊んでください」という言葉がヤリモクなのかそうでないのかも私にはわからない。結局顔を見て判断しろと言われているようにしか思えないのだけど、そんなのあまりにも残酷すぎないか。

tinder、うまく使えばおそらく楽しいのだと思う。その楽しさとは、突然知らない人とサシ飲みに出かけたり、通話をしたり、本当にまっすぐに暇つぶししたいときにニーズを埋めてくれるものなのだろう。しかしながら今の自分にはtinderは早かった、というか、違った。とりあえずもう少しはやってみるけれど、他のアプリに比べて圧倒的な疲労を感じている己がいる。

今の生活の寂しさをどう埋めるべきか、私はまだ迷い続けることになるのだろう。そう思うと、また少し疲れる。