今年印象に残った仕事の振り返り

●記事

・ゲーム「シチズンスリーパー2」レビュー(game*spark)

https://www.gamespark.jp/article/2025/11/09/159268.html

書きたくて書かせてもらったシリーズです。シチズンスリーパーシリーズが本当に大好きで、この記事もレビューというよりは私の感動を伝えたい……みたいな勢いと情熱で押し通した内容になっています。そのためあえて単語の説明などは省き、わかるやつがわかればいい、ぐらいのテンション感です。そういう記事があったっていいよね!?

 

井上佐藤『10DANCE』レビュー(Tokyo Art Beat)

https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/10dance-rin-takashima-review-202506

これも「こんなん書きたいな〜」と言いまくっていたらやらせてもらえた、稀有な記事です。本当に声をかけてくださった編集さんに感謝したい……。『10DANCE』は絶対にドラマ化で話題になるので、また読んでもらえるといいなあ。

 

・金子由里奈との往復書簡「底に見える明かり」(点滅社)

https://tenmetsusya.com/article/sokonimieruakari07.html

今は休止中なのですが、今年とても楽しく書かせてもらった原稿です。去年の秋から今年の夏までのわれわれの軌跡。

金子由里奈と一緒に住んでいた時期は振り返ってみると意外と短くて、ほんの1年半くらいなんだけど、思い返すほどに愛おしく、学びの多い時間でした。金子とはずっと仲良く刺激を与え合っていければうれしいなあ。

 

・連載「抵抗としての一人読書会」

https://gendai.media/articles/-/157208

こちらは今年始まった新連載です。最初は普通に専門書を書評的に噛み砕くものを想定してオファーをいただいていたのですが、「それだと(私が)つまらない気がする」とこのような形(イマジナリーフレンドと無数の本について喋る)にさせていただきました。ありがたいことに書いていて本当に楽しいです。ザッピング的に脳みそが飛び跳ねる人間の読書録として、ドライブ感を楽しんでもらえたら……と思っております。

 

・小説「ゴーストタウン&スパイダーウェブ」

https://ohtabookstand.com/list/series/gtsw/

一言で言うと「挑戦」という感じで現在進行系で頑張っている仕事です。1本の短編(ffeen pub『小説紊乱』収録「そこに在る身体」)からすぐ長編小説の連載につながる、というものすごい幸運に恵まれたので、そのぶんの追いついてない技術面をひいひい自覚しながらやってます。そのぶん「自分が面白いと思うものを全部絞り出そう」という気概だけは全力でぶつけているつもりです。本にする段階でおそらくめっちゃ修正するので、よかったら連載は連載で今のうちに楽しんでもらえたらうれしいです!

最近雨宮処凛さんの本に「小説の仕事だけはかなりしんどい(意訳)」と書いてあって、雨宮さんすらそうなんだ、と思いました。継続して書き続けないときっとうまくならないんだろうなとも思うので、自分なりに長く書ける書き手でいたいなあと目標を立てています。

 

●喋ったやつ

・ポリタスTV

夏に選挙前特番に呼ばれたのがきっかけになり、その後「ニュースめった刺し」として隔週レギュラーメンバーになりました。相棒はライターの岡田麻沙さん。とても仕事しやすい素敵なお相手です。

もともと喋るのが好きで、褒めてもらえることも多く、「なにか継続した仕事にならないかな」と思っていたので、こういう形でみなさんにおしゃべりをお届けできていることがとても嬉しいなと思っています。ニュースについても、これまでよりも勉強する意識が持てるようになりました。しんどい思いをしている人と一緒にため息をつきながら、どうにか這って進む道筋を考えるような番組にしていきたいです。

あと、おかげさまで左翼の多いイベントに行ったとき「高島さんですか」と声をかけられることが増えました。今のところ、本屋さん、美術展、飲み屋などで声をかけられています。マッチングアプリで「ポリタス見てます」と言われたときには戦慄し、アカウントを即削除しました。あのときの人、ごめん。

親には仕事の詳細をほとんど話していないのですが、これについては父にまで伝わっていました。父の友達が「お前の娘が出てるぞ」みたいな感じで伝えてきたらしいです。ヒェッ……気まずいからやめてねッ……。

ちなみにこれを書いている現在(12/16)、年内であと3本のポリタス収録&イベントが待っています。ゴリゴリやっていくぜ。来年もよろしくお願いします。

 

静岡大学での授業「「前近代は同性愛に寛容だった」は本当か」

超・久しぶりの大学授業。コーディネーターである辻本侑生さんのおかげで大変楽しくやらせていただきました。緊張したけど学生の方々がみなさんクリティカルな質問を投げてくださって非常にうれしかったです。あと初の静岡出張で、駿府城静岡市立博物館も見られた! 出張のおいしいところですね。また呼んでもらえるように精進したいです。

 

・アレックス・プリチャード『アナキズム』(白水社)イベント

今年はやっぱり会社勤めのせいもあってイベント仕事が少なめだったのですが、これは印象的でした。本屋lighthouseさんで小田透さん、北村紗衣さんとご一緒したトークイベント。小田さんにご挨拶できたのもうれしかったですし、終わったあとに謎に店内で火鍋が始まったのもアナキズムのイベントらしくてよかった。トーク冒頭で「このなかでアナキストだよって人〜!?」と聞いたら誰も手を挙げてくれなかったのをよく覚えています。なんでだよ!

 

●展示

・Art Center NEW「アンダーコモンズ」

横浜のギャラリーで行われたゲームの展覧会。総合キュレーターに藤本一郎さん、キュレーターとして私と近藤銀河さん、という編成で取り組みました。藤本さんはじめArt Center NEWのみなさんがだいたいのことをやってくださり、私はゲームのセレクト、グランドルールの相談、イベントなどを担当いたしました。このイベントというのが、ゲーム翻訳者の方との「生ゲーム実況」で、これまた大変刺激的でした。元はと言えば私がフラッシュアイディアとして「こんなのやりたい」と言ったのを、藤本さんが整えてくださったかたちです。3時間セリフをすべて読み上げつつトークするのはさすがに大変でしたが、超楽しかった&評判良かった! またやりたいです。

 

●まとめ

忙しかった気がしてスケジュールを見直してみたら、そういえば今年って半分は会社員やってたからそこまでバリバリ外部の仕事やってたわけじゃないのか、と気づきました。会社は会社で、会社にいないとできない魅力的な仕事というものがあるわけですが(ライターさんとの原稿のやり取りはいつも楽しかった/今でもWeb編集の仕事に対してはまたやれたらいいなという気持ちがあります)、フリーだからこそ受けられる仕事もあるわけで、今年はどちらもじっくり味わえたような気がしますね。

来年は◯◯をやりたいとか言っては毎回やれていないので、今年はあまり大口を叩かないでおこうと思っていますが、とりあえず仕事が来ますように!という祈りだけは強く持っています。

もちろん今水面下で進めている書籍の執筆仕事も複数あり、そちらも頑張るのですが、可能であれば無料で誰でも読める場所に置かれたテキストや、なるべく安く読めるテキストにもちゃんと労力を割きたい。自分自身がWebメディア隆盛の時代に育ててもらった人間だから、という理由もありますが、お金がない人、余裕がない人にも言葉を届ける努力は怠りたくないからです。もちろん書き手の仕事は下請けだから、私一人でどうにかなることではありません。そのあたり、新しい流れができればいいなあと期待してますが、Webメディア業界はなかなか逆風ですね。

あとはテキスト以外の仕事を増やしていきたいとも思います。みんなテキスト読む時間ないんだろうな、とも感じるし、文章以外の方が伝わりやすい人も多いだろうし。配信やりますとずっと言っておきながら全くやっていないのが心の底から申し訳ないんですが、さすがに2026は何かやります。何か。

今年展示のキュレーションという新しい仕事を任せてもらえたのが新鮮に楽しかったので、まだやったことがない領域にも手を伸ばす機会があったらうれしいです。

ともかく、気が早いですが、来年もなにとぞお仕事のオファーの方、よろしくお願いいたします。スケジュールが不確定な部分も大きいのですが、とりあえずご相談や打ち合わせやご挨拶だけでも、気軽にお声がけいただければ!!

バイに関する最低限のQ&A

Q1.バイって何?

バイロマンティックとバイセクシャルの略称だよ。

バイロマンティックとは、男性と女性に恋愛的な関心を持つ人のこと。

バイセクシャルとは、男性と女性に性的な関心を持つ人のこと。

「バイ」と言ったときは、①バイロマンティックの略称、②バイセクシャルの略称、③バイロマンティックでありバイセクシャルである人の略称、④バイロマンティックとバイセクシャルの人をまとめて呼ぶ呼び方、のどれかだね。

以下、この記事ではバイロマンティックやバイセクシャルの人をまとめて「バイ」と表記するけど、本来恋愛的な関心と性的な関心は区別して考える必要があるよ。

※パンロマンティック/パンセクシャルという概念もあるよ。こちらは、「ジェンダー関係なく相手を好きになる人」/「ジェンダー関係なく相手に性的な関心を持つ人」だよ。もちろん、ジェンダーが関係ないからといって、「誰でもいい」わけではないから注意しようね!

 

Q2.バイフォビアって何?

バイの人たちに対する差別や偏見のことだよ。

 

たとえば……

「バイはすぐ異性にいくから、信頼できない」

→発言した人個人にとっては、バイの人に裏切られたと感じた経験があるのかもしれない。それ自体はつらい経験だと思う。でも、それをバイ全体を主語にして公に語るのは差別的だよ。個人的な経験の話と、特定の属性全体に対する話は分けないといけない。

また、バイは、個人の行いと関係なしにLGBTコミュニティのなかで信頼を向けてもらえず、疎外されてしまうことが少なくないよ。そのようなLGBTのなかでの「居場所のなさ」もバイにとっては大問題なんだ。

 

「バイは結婚できてずるい」

→実際には結婚できなくて苦しんでいるバイはたくさんいるよ。ずるいものがあるとしたら、結婚を選んだバイではなく、戸籍上の同性どうしで結婚することを許可していない日本の法律だよ。

 

「バイは好きになれる人が2倍で人生楽しそう」

→偏見だね。人より多くのジェンダーが恋愛や性愛の対象になるからといって、誰でも好きになれるわけでは当然ない。それに、自分が好きになっても相手が好きになってくれるかは別の問題なんだから、そんなに簡単に人生が楽しくなるわけないよ。どんなセクシュアリティの相手でも百発百中で自分に惚れさせる超能力者なら別かもしれないね。

 

「どうせファッションバイなんでしょ?」

→人のセクシュアリティはその人本人にしか確信できないものだから、他人が勝手にジャッジしてはあけないよ。そういう意味で、「ファッション◯◯」はどんなセクシュアリティアイデンティティに対しても言うべきではないね。

 

「同性とセックスした人だけが本物のバイ」

→これも勝手に他人のセクシュアリティをジャッジしている点で差別的だよ。行動とセクシュアリティは、関係はあっても別の問題なので、分けて考えなくてはいけない。たとえばこの記事によれば、自分はゲイ、バイだと考えている男性の数より、同性どうしの性行為を経験した男性の数のほうが多いというデータが出ているよ。

 

Q3.それでも反論がある人へ

話が長い。バイはめんどくさい。

→そう思うならいったん黙っていてくれるのが一番いいよ。いつかバイについて知りたくなったら書籍などで勉強してください。

 

 

それでもバイに嫌な思いをさせられたので、バイのことは信じない。

憲法内心の自由が守られている以上、個人的に頭の中でそう思うこと自体は止められない。でもその経験をバイ全体の話として世間に発信するのは差別なので、やめましょう。

 

偉そうにこんな記事を書いているお前は何なんだよ →パンロマンティック/パンセクシャルの当事者だよ。バイとパンはとても近い境遇にあるので、バイへの差別を見るとめちゃくちゃ傷つくよ。

 

 

貧乏のお知らせ

マジで金がないぜ2025

とんでもないタイトルで失礼します。ですがその通りなのでほかに書きようがない。

みなさますでにご存知かとはおもうのですが、当方7月から無職ライフを送っております。基本的なお金はひとまず雇用保険で凌いでいるので、ただちに行き倒れて死ぬというようなことはないのですが、ここにきて大変な壁が出てきました。住民税・国保・家賃の更新料です。

まず住民税ですが、こちらが「前年度収入をもとに計算する」という悪習のせいで、とんでもない値段を普通に請求されています。国保(こっちは多少減額してもらえました)と合わせるとおおむね月4万円の徴収です。下手したら郊外のワンルームに住めそうなお値段です。とんでもないですね。

ここまでならまだ雇用保険+原稿仕事でどうにか対処できる範疇だったのですが、10月に(わかってはいたものの)更新料を奪われることとなりました。この家にこのまま住むならもう一ヶ月分払えということです。これで8万円弱が飛んでいきます。これがとんでもない話で、これのせいで預金がガツンと減る空気になってきました。恐ろしいことです。しかしながら現実です。

ちなみに「雇用保険プラスで稼いでいるならどうにかなるのでは」という疑問があるかもしれませんが、雇用保険受給にはいろいろな条件があり、それをクリアしてお金を稼ぐにしても、働いた日数に応じて受給額は容赦なく減らされていきます。つまり、働くほどにもらえる金が削られていく(ただし働いたほうがまだ入る金額はましなので働くしかない)という、微妙な状況になっているのが現在です。

「住宅確保給付金はどうか」とのご意見もあるかもしれませんが、こちらは雇用保険も収入にカウントされるため、それでボーダーラインにひっかかる感じです。これは雇用保険が切れたあとに申請を検討しています。

また、障害年金もチャレンジしていく予定です。今現在すでに心身ボロボロでもあるので、これから書類を準備してどうにか役所と戦ってみます。ただ書類を揃えるのがわりとハードなのと、さらに役所の回答までに最低半年くらいかかるらしいので、こちらはうまくいってもかなり先の話になりそうです。

状況説明としてはこんな感じで、来月更新料を払うと、もう普通に翌月の家賃+住民税+国保の支払いが危うい可能性が生じています。

つきましては、みなさまに助けてくれと言いに参りました。

(1)codocの有料ブログを定期購読してほしい

こちらがひとまずのお願いです。codocで展開している「高島鈴の雑記帳」は、月額600円でエッセイやレビューなどを読めるサブスクプランで、課金した月から過去記事はすべて読めます。お気に入りの記事があればコピペなりスクショなりコピーなりして個人的に保存などしていただいて構いません。

こちらをまだ見たことないぜという方がおられましたら、ぜひ短期間だけでも、助けると思って入っていただけると嬉しいです。なお、記事の単品購入も可能です。

codoc.jp

 また、今回さらに「高島鈴の雑記帳+日記プラン」も作成しました。こちらは月額1000円になりますが、「雑記帳」プランの記事に加えて、月末にその月の日記が読めるようになります。日記はたぶん一月あたり2〜3万字になるでしょう。日記は今のところ単品購入できないようにするつもりなので、読んでみたい方はぜひこちらのプランを定期購読してみてください。頼む!!

codoc.jp

(2)有料占いをやります

タロット占いを有料で行います。オンラインで、LINEかDiscordで通話しつつ、その場でお悩みを伺い、カードを引いていく形にしようと思っております。

タロットは2021年くらいからスタートして、独学で数百回以上は鑑定してきました。よく当たると言われます。行きつけの占い師にも「あなたはお金取って占いをやったほうがいい」と言われているので、ちょっと今回本格的にやるか、と思い立った次第です。

シスヘテロ的な読み、恋愛に偏った読みなどはいたしません。また、相談者さんの話したくないことを無理に聞き出すこともいたしません。また当然ながら、占いは秘密厳守で行います。

価格は最初の15分が1000円で、そこから10分ごとに1000円プラスされます。お支払いはpaypay(ID:rin_anarkio)もしくは銀行振込でお願いしています。

イメージとしては、1トピックを軽く見るなら15分(1000円)、1トピックをしっかり見るなら25分(2000円)、2トピック以上なら35分(3000円)〜、といったイメージです。

アバウトな話から細かい話までわりとなんでも占えますが、病状の良し悪しについての直接的な問い(「この病気は治りますか?」など)、同意のない他人についての占い(「○○さんは転職するんでしょうか?」など)はお断りします。

ご希望の方はDiscord(rin_mojika)、LINE(未登録の方はDMでお問い合わせください)でご連絡ください。

(3)仕事をください

前述の通り、雇用保険は働いた日数や賃金に応じて支給額を減らされてしまうため、結構大変なのですが、それでも仕事するしかないということで、ぜひお仕事をください。エッセイ、小説、レビュー、批評、シナリオ、何でも書きます。あるいはトーク、ラジオ、配信番組など、しゃべり仕事もできます。現在やや体調の都合があるので、状況や条件によっては応じられないこともありますが、何はともあれまずはご相談いただけますと幸いです。

 

以上、情けないことですが、貧乏のお知らせでした。

助けてやってもいいよという方、何卒よろしくお願いいたします。

ただし、くれぐれも、くれぐれも無理のない範囲で、余裕があるからいいか、くらいの方のみ、ご支援いただければ幸いです。正直自分は仕事の都合もあって本や漫画も買い込みますし、生きるのに不可欠ではない出費も含めていろんなものがかさんでいった結果、今の貧乏があります。それに対して「うわっ」と思うところがある方は、どうぞスルーしてください。すみません……。

編集者は全員原稿依頼に振込時期を書け

ライターとして仕事を始めて10年、編集としては6年くらいになる。

その過程で、当然ながら無数の「原稿依頼」を送受信してきた。パターンはさまざまだ。「こういうの興味ないですか?」というような軽い質問から始まるものもあれば、個人宛に「こういう内容でお願いしたい」と企画書まで作って添付してもらえるパターンもあった。

別に、依頼に「正解」はない。編集者との関係値や、その媒体とやってきた仕事の数などによっても良し悪しは変わるからだ。ただ、「最初にこれを教えてもらえないと困る」はわりとある。今回はその話がしたい。

頼むから最初に原稿料と振込時期を教えてくれ

はい、要約するとこういうことになります。本当に、原稿料すら教えてくれない仕事というのが、意外とあるんですよ。正直無料でも引き受けちゃう仕事というのがなくはないというのは事実だが、それでも原稿料がないならないで最初に「申し訳ないが0円です」と言ってほしい。とにかくこっちからもう一往復メールで「原稿料っていくらになりますか?」と送る手間をなくしてほしい。

そしてかなりの確率で書かれていないのが「振込時期」である。これフリーランスにとって死活問題なんですよ。来月もらえる2万円と再来月もらえる2万円では意味が変わってきます。「そのスケジュールで原稿料をもらえるのが来月だったらはっきり言って別の仕事詰めたほうが生活設計的にいい」ということもあるし、「今月いくらもらえるか」の目算がずれることが死活問題になってくるような人間もフリーランスにはたくさんいる。

そして振込時期とは当然ながら「いつ振り込まれるか」という時期の目安を指すわけだが、例えば「2ヶ月後です」だけだと「原稿を出してから2ヶ月後」なのか「請求書の締日から2ヶ月後」なのか「公開・刊行から2ヶ月後」なのかがわからないので、そこも明記してほしい(そこが明記されていないと意味がない)。さすがに再来月でしょと思って仕事したら「あ、お支払いは刊行から2ヶ月後なので、つまり4ヶ月後ですね」と言われて膝から崩れ落ちることもあるわけです。なので、とにかく編集者諸氏は原稿依頼に振込時期を明記すべきだ。これもまた明言されないまま仕事するのもつらいし、このためだけにメールをもう一通書くのも「なんか銭ゲバみたいに思われてそうだな」という感じで嫌なものなのだ。

実際に編集者として原稿依頼をかけるときのテンプレ

以下、私が原稿依頼をかけるときに使っているテンプレートを紹介します。

形式だけ同じにして、企画名や企画内容は架空のものにしてある。

必ずしもこれが正解だというわけではないが(これより丁寧な原稿依頼はいくらでもある)、参考にしてほしい。

 

・企画名:
「少年漫画のヒロイン分析(仮)」
・内容:
今アツい少年漫画作品をいくつかピックアップしていただき、そこに登場する女性キャラクター(特にメインヒロイン)がどのように描写されているのかを、フェミニズムの立場から論じていただく批評記事です。
3作品ほど取り上げて、それぞれ1000〜1500字ほどで論じていただく形式を想定しております。
記事イメージは,このような雰囲気です。
(URL)
(URL)
・取り扱う作品について:
お任せいたしますが、なるべく出版社はバラバラにしていただけるとありがたいです(ジャンプから1作品、チャンピオンから1作品……など)
・字数:
4000〜5000字程度
・原稿料:
20000円(+税)
・お振込時期:
原稿拝受から2か月後
・締切:
いったん○月○日でご相談できないでしょうか?(ご都合に合わせて調整可能です)

 

これが私が仕事をする中で考えた「現時点での最適解」である。

今のところこれでトラブルが起きたこともなく、むしろ比較的「説明がはっきりあってありがたい」と言われる場合のほうが多い。

編集者のみなさま、どうか原稿料と振込時期を最初に教えてください。最初に確定できない場合はその旨を教えてください。そこが明記された原稿依頼、いつでもお待ちしております。

 

※追記:

言い忘れていたが、原稿依頼以上に原稿料と振込時期を教えてもらえないのがイベント仕事である。イベントの謝礼金は無料から数万円、手渡しから振り込みまでいろいろあるので本当に読めず、それを教えてもらえないのは本当に困る。みなさんお願いですからギャラと振込時期を書いてください。頼む。

 

※追記2:

下請法のことをすっかり書いていなかった。下請法では納品から60日以内に支払いをする必要がある(ここまではもともと知っていた)。そして先程教えてもらったのだが、支払いがそれを超過する場合、利息を請求できるとのことである。これはマジで知らなかった(発注側としては会社ルールによってきちんと下請法を守れていたからという理由でもある、が、勉強不足だった)。何よりこの業界、下請法を守らない案件が多すぎるので、いちいち言ってられない(言って仕事が減ると困る)という状況がある。それも含めて改善されてほしい。

 

※追記3:

さらに情報提供があり、2026年からは60日後に支払わないと委託側に罰則が発生するとのこと。私の場合、発注側としては依頼の段階で受領から2カ月後という目安を伝えたうえで、返事をもらって締切が確定した段階で発注書を作り、支払日(60日後)を明記して送付している(依頼メールと発注書は別だ、念の為!)。しかしフリーランス目線で言うとここまでやってくれている媒体は正直多くなく、全然守られてなくない?というのが実感である。

ゲンロンの批評イベント見て最初に思ったこと

昨日から今朝にかけて、ゲンロンの三宅香帆さん・松田樹さん・森脇透青さん・植田将暉さんの批評イベントのアーカイブを見た。感想はいろいろある中でこれを最初に言うのは自意識過剰かもしれないと思うんだけど、マジでこの批評の文脈で私の名前を出されるのが意味わかんないなと思いました。以下はその「名前の出され方」に関する殴り書きです。イベント全体の感想に関しては特に言及していません。

 

shirasu.io

 

・2時間30分前後くらい、「女性的な文体の文芸批評家が文芸誌に集まっており、男性的な書き手はコンテンツに言及せず哲学の方にいる。文学/哲学の書き手が交差しない」という森脇さんが提起した文脈で、前者として植田さんが私と水上文さんの名前を挙げたと思います。そこで植田さんが「高島さんは文芸誌に書いてるのか知らないですけど……」と言っていて、いやそこが分からないならその文脈で名前を出す意味もなくなりますよね?と思いました。私が書くもの読んでないのでは? 別に読まなくていいけど、じゃあ何を以て私を批評家だと思ったんでしょうか……。

 

・私をコンテンツの批評家として見るなら、私が一番言及してきたのは何より漫画(特に少年漫画)です。私を最初に書き手として見出して鍛えてくれたのは文芸誌ではなく「ねとらぼ」だったし、『布団〜』に収めた批評的なエッセイの多くは音楽媒体であるele-kingに掲載されたものですし、少年漫画批評連載もwebちくまに載りました。小説の批評は雑誌の中に1〜2ページ載る短いレビューを除いてほとんど書いたことがないです。文芸誌にも年一でごく短いものが載る程度で、文藝ではもう数年書いてないです(ほぼ水上さんと入れ替わりです)。なのに「文学・文芸誌文脈の書き手」に私を入れるのは、マジで、「読んでないけど、ちょっと賞を取った女性だから名前は出しとこう」ということなんじゃないですか? 私にも失礼だし、文芸批評ジャンルで努力しているほかの書き手の方々にも失礼なんじゃないでしょうか?

 

・あと水上文(みずかみ・あや)さんのことを登壇者が全員読みを間違えている(ずっと“みなかみ”さんと発語してましたね)&コメントでも誰も指摘しない状態で話してましたが、そこも女性の書き手について、雑な認知のままなんとなく名前を出しているように見えた原因です。失礼だと思いました。

 

・単純かつ根本的な疑問なんですけど、なんでこういうときに最初に名前が出るのって毎回「私と水上さん」なんでしょうか。フェミニズム文芸批評という枠を設定するなら水上さんが当てはまるのは理解できますけど、少なくとも私の名前を出すより先に話題にされるべき人(もっと文芸誌で文学の話をしているフェミニズム批評の書き手)がいる、ということは確実に言えると思います。

 

・こういう自己言及の確認とそのされ方の拒絶をいちいちするというのは、くどいようですが自意識過剰な行為だとは自覚しています。でもそれをせざるを得ない程度に「男性ではない書き手」が変に何かの代表扱いされたり根拠なく矢面に立たされたりロールモデルとしての期待を過剰に背負わされたりする状況が今の人文系テキストのフィールドなので、警戒せざるを得ないです。はっきり言えば私は幾度となく「非-男性枠」「フェミニスト枠」「〈こちら〉の批判者枠」で都合よく位置付けられてきたことに疲れています。

2/6朝(統合失調中)

・1 というちょっと自分にとって嫌な、あるいは傷つくような出来事があったとして 私の頭の中では即座にそれが 100 に変換されてそこから動かせなくなってしまう。明らかに脳みそがおかしい。自分の性根のせいももちろんあるのだろうが。

・もう少し具体的に言うと:少し何かがあっただけで、頭の中が極端な考えで埋め尽くされ、全くそれを払拭できなくなる。もう自分は死ぬしかないという発想に一瞬でたどり着き、そこから違う考えに切り替えることができなくなる。

・今私はあらゆる人と関わるのが恐ろしく、自分を見つめることもまた難しい。あらゆる言葉を受け入れるのが困難になっている。生きているのが恥ずかしく、情けなく、どうしようもない。苦しい。

・ここから抜け出すには認知行動療法やカウンセリングが必要だと思う、と友人からアドバイスされたが、お金がないのでそれを受けることは現状難しい。

・とりあえずすすめられたコーピングのアプリを使っているが、考え方を変えるのが自分にとっていかに難しいかをすでに実感している。それでも変わりたいから、どうにか考えたい。

・それと同じくらいみんなの前から消えて存在を詫びたいという気持ちがある。助けてくれ

日記1/29朝(休日、統合失調中)

・27は友人と会って気が晴れていたものの、その日の夜にその友人とは無関係のいろいろな私事があり、激しく落ち込む。具体的には言えないが、詰まるところは私自身の在り方に人間として問題がある、ということが詳らかになったような、そういう出来事である。

・28はまる一日そのことで頭がいっぱいだった。どうすればまともな人間になれるのだろうと考えていた。自分にすぐ思い当たるのはこれまで見ないふりをしてきた発達障害傾向のことだった。もちろん自分のあり方に問題があるというのは気質以上に性根のことではあるのかもしれないが、実際困りごとがある以上、薬で解決できることはしたいと思っている。それでも変わらない部分は、ソーシャルスキルレーニングとか、その手のジャンルの読書とか、社会性を身につけるための学習を続ける他ない。

・具体的に困っているのは以下のことだ:感情のコントロールができない、日中に理由のない強い眠気がある(これは特発性過眠症として診断済み)、衝動的な行動を取ってしまう、ソーシャルスキルが著しく低い、生活やスケジュールの管理ができない、多動でじっとしていられない

・これまでは周囲の優しさに甘えきって生きてきたのだなと実感する。しばらく孤独になるべきかもしれない。

・28夜に映画「王国(あるいはその家について)」を見に行く。全然わからなかった。周りがめちゃくちゃ絶賛していた&熱烈に勧められていたからそれほど面白いのかなと思って期待していたのだが、びっくりするほど眠くて、理解できなくて、理解したくて、やっぱりわからなくて、私がおかしいのかなと思って悲しくなってしまった。シナリオを買って電車の中で読破したら、それは普通に面白くて、劇映画として普通に見たいと思ってしまった。実際の映画はリハーサルの様子を何度も繰り返し流すという実験的手法で撮影されていて、私にはその意味がよくわからなかった。映画は普段ほとんど見ないから、そもそもよくわかっていないのかもしれない。映画というものについて。

・帰り道で人が改札から溢れるのを見て、あー死んじゃいたい、と思う。ホームドアのある駅しか通らなかったから、私は死ななかった。それが幸運だったのかどうかは、定かではない。